第3章 胸を突き刺すドロローソ【執行~あの場所】
「昔から、詞織以外の女に興味ありません」
「へ……っ⁉︎」
「ほぅ」
「へぇ」
九十九と真希が再びニヤつく。
詞織はといえば、気恥ずかしさから夜色の瞳を揺らして顔を真っ赤にした、心臓を鷲掴みにされそうなほど破壊力抜群の表情で俯いていた。
「もういいですか」
誰にも詞織を見られたくなくて、伏黒は彼女の腕を引っ張り、今度こそ その場を後にする。
「星也さんたちに会う前に、顔 戻しとけよ」
「戻す?」
首を傾げる詞織に立ち止まり、同じく足を止めた詞織の頬に触れた。そこは火傷しそうなほど熱を持っている。
「顔が赤いって言ってんだよ。目もちょっと潤んでる。いつものヤツに戻しとけ」
「……メグが恥ずかしいこと言うからなのに」
何も変なこと言ってないだろ。
そう思ってると、パンパンッと軽く頬を張り、気を引き締めた。そして、深く息を吐き出す。
「ん、行こ」
先を促す詞織に「あぁ」と頷き、伏黒たちは星也と乙骨が待つ場所へ急いだ。
* * *