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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第3章 胸を突き刺すドロローソ【執行~あの場所】


「恵に手を出すようなら許さないと言っているんです。僕は姉さんや詞織、恵、津美紀……兄弟を守るためなら、どんなことも恐れない。他の何を捨ててでも守る」

 そうか。この男も弟を……兄弟を守るために戦うのか。
 しかし、この状況――二人を相手取るのは難しい。

 そう考えていると、不意に星也は顕現していた【白虎】を呼び、おもむろにその白い背中に腰を掛け、長い足を組んだ。

「何の真似や」

「三つ巴の戦いは効率が悪い。あなた方も、敵二人を捌きながら戦うのは面倒でしょう。僕はここで待っているので、さっさと済ませてください」

 何、だと?
 今、兄弟のために戦うと言っていたではないか。
 口先ばかりで、結局はその程度か。

 脹相が戸惑っていると、直哉が低く舌打ちをする。

「それやとキミが有利すぎるんちゃうん?」

 直哉の言う通り。コイツを倒した後で星也と戦うなど、死ぬのと同じことだ。

 ただ座っているだけなのに、全く隙がない。放つ緊張感も、纏う呪力も底が知れない。

「大丈夫ですよ、直哉さん。僕と戦う前に回復する時間くらいあげます。それに、必要なら【反転術式】も掛けましょう。万全の状態で挑んでもらって結構です」

 それに、と彼は直哉に微笑んだ。

「それほど時間は掛からないでしょうし」

 星也の言葉に、直哉は「それもそうやな」と不敵に口角を上げ、脹相へ視線を向ける。
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