夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第22章 トレモロに跳ねる心音【呪胎戴天-伍-】
『やはり、何事にも仕上げは必要だな』
呪力出力にムラがあろうが、ここで虎杖を殺す分には特に不自由しない。
そのとき――突如 現れた気配に宿儺は目を見張った。虎杖も気づいたようで、そちらに目を向ける。
「真希先輩……」
「すまん、遅れた。状況を簡潔に頼む」
顔に傷のある髪の短い女――禪院 真希。宿儺は星也の記憶と照らし合わせる。
御三家・禪院家の双子の片割れ。呪力がゼロになったことで完全なるフィジカルギフテッドに至った女。
詩音の攻撃によるダメージが見えない。雑に間引ける女ではなかったか。
そもそも星也の抵抗で、まだ詩音を完全に掌握できていない可能性もあるな。
「コイツはっ!」
虎杖が血を吐くように口を開き、唇を震わせる。
「殺しても死なない‼︎」
瞬間――真希の刺すような鋭い蹴りが宿儺を襲った。それをどうにか腕で受け止めるも、背後から虎杖の拳が振るわれる。
虎杖の拳をいなし、宿儺は真希へ拳を打ち据えるが、その一撃を受け止めた真希に顔面を殴りつけられ、後方の柵へ向けて突き飛ばされた。
完全なるフィジカルギフテッド――想像以上だな。
それに比べて――……。
ジャラッと虎杖が引き抜いた柵で宿儺の身体を捕らえる。