夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第23章 最悪のブレイク【浴/自浄自縛】
「アンタは……」
背の高い茶髪の男を前に、伏黒は詞織を抱え直した。そんな伏黒に、男はガシガシと頭を掻く。
「今 助けてやっただろ。そんな警戒しなくても、とって食やしねぇよ」
「あ、あぁ……そうだな……助かった」
わずかに警戒を解くと、男が結界の外を示した。
「来い。すぐ外に【反転術式】を使えるヤツがいる」
男に支えてもらいながら、伏黒は結界の外へ出る。そこでは、見覚えのある女性が、金色の髪の少女――華を治療しているところだった。
「連れてきたぞ、神ノ原 星良」
「ありがとう、札埜さん」
「星良さん……⁉︎」
一気に力が抜け、伏黒はその場に膝を折る。
「伏黒くん!」
駆け寄ってきたのは吉野 順平だ。
「詞織ちゃんも……二人とも酷い傷だ……」
「俺はいい。先に詞織を……」
言い終えるより早く、詞織が「華!」と傍らで膝をついた。
「華……」
意識のない華の髪を撫で、詞織は涙を流す。
「……なんで……なんで、こんなことに……」
涙を流す詞織の隣へ伏黒は身体を引き摺るようにして移動した。けれど、掛ける言葉なんて見つかるはずもなく、伏黒は震える肩に触れて沈黙する。
「……何があったの? 津美紀さんを助けるはずだったよね?」
順平の問いに、躊躇いながらも口を開いた。