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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中

第22章 トレモロに跳ねる心音【呪胎戴天-伍-】


「メグ……っ!」

 詞織の悲鳴が聞こえた。けれど、それに答えることもできず、伏黒は血を吐き出す。

『……ふむ。殺したと思ったんだが……どうにも呪力出力が甘いな。神ノ原 星也……オマエの仕業か』

「……星也さん……」

 まだ意識があるのか、と伏黒が希望を抱いたのも束の間、宿儺は『まぁいい』と余裕を見せた。

『神ノ原 星也に受肉を果たせた今、オマエにもう用はない、伏黒 恵』

「くっ……」

 奥歯を噛み締める伏黒を守るように、【玉犬】が前に出る。

 何かないのか。星也さんを助ける方法は……!

 焦る伏黒を前に、宿儺は『だが』と紅い瞳を向けた。

『オマエには目をかけてやっていたからな。わずかぐらいの情はある。惚れた女が死に逝く様くらい見せてやろう』

 宿儺の紅い瞳が詞織に据えられる。

 その背後から、人型へと戻った詩音が降り立った。赤と黒の鮮やかな衣装を身に纏う彼女の瞳はいまだ虚ろで、意思がまるで感じられない。

「詩音……っ」

 詞織が声を震わせる。
 腕を振り下ろして攻撃の指示を出した宿儺に、詩音が悲鳴を上げた。

『あァ、ア"ッ、ア"ァ"……っ‼︎』

紅い瞳に血の涙を浮かべ、その手に真紅の大剣を握る。そして、切先を震わせながら詞織に勢いよく迫った。


「【夏の夜は まだ宵ながら――……】」


 そこで、詞織の歌が不自然に止まる。

「術式が……っ!」

 息を呑む詞織に、伏黒は思い出した。

 詞織の呪力は元々、非術師よりも少し多い程度。今までは詩音の呪力があったから術式を使えていた。それを失くした今――。


「詞織‼︎」


 詞織の身体が屋上から突き落とされる。伏黒は躊躇うことなく屋上から飛び降り、詞織を追いかけた。

* * *

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