夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第22章 トレモロに跳ねる心音【呪胎戴天-伍-】
「華……っ!」
「来栖っ!」
腕を引きちぎられた華が、柵に向けて放り投げられ、そのまま地上に落下する。
「うそ……」
絶句する詞織を背後に庇い、伏黒は手を組み合わせた。
「――【玉犬 渾】!」
【玉犬】を呼び出し、伏黒は自身の影から呪具の刀を取り出す。そして、【玉犬】と共に星也への受肉を果たした宿儺へ迫った。
「メグ!」
後ろから詞織が呼びかけてくる声を意識して無視する。
詞織に戦わせるわけにはいかない。
こうなってしまったのは、俺の責任だ。
俺が油断したから。
俺が宿儺に指を食わされたから。
全部……全部 俺が……っ!
「宿儺ぁっ‼︎」
地面を強く蹴り、刀を振り下ろす。同時に【玉犬】が背後から鋭い爪を振りかざした。
『――詩音』
『【縛鎖】』
伏黒は大きく目を見開く。身体にジャラッと黒い鎖が巻きつき、伏黒の動きを封じた。【玉犬】にも同様の鎖が巻きついている。
しまった……っ!
すると、宿儺がトンと無防備な伏黒の腹に指先を当てた。
『【拒絶】』
ブシッと鮮血が弾ける。触れた者を弾き飛ばす【拒絶】の言霊に、伏黒の身体は後方へ吹き飛ばされた。さらに宿儺は【玉犬】に蹴りを入れ、蹴り飛ばされたその巨体が伏黒にのしかかる。