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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中

第22章 トレモロに跳ねる心音【呪胎戴天-伍-】


「詩音……?」

 詞織が震える声で詩音を呼び、異形となった片割れを見上げた。



『呪ワレロッ! 呪ワレロ呪ワレロ呪ワレロッ‼︎ アタシから詞織を奪ウ奴らは、ミンナミンナ消エテシマエ――ッ‼︎』



 十二枚の翼が空を覆うように大きく広がる。そして、泣き叫ぶ声に応えるよう、空が暗く淀み、まるで悲鳴のような音を立て、漆黒の雷を地上に落とした。

 庇うようにして、伏黒が詩音の元へ向かおうとする詞織を抱きしめる。

 そこへ、暗い夜空の一角がキラキラと輝きを放った。眩い光が宿儺に注ぎ、ジュワァッと溶かすように身体が焼ける。

『……“天使”か……』

 奴らは自分と虎杖とは違い、一つの身体に共生している。気絶からの覚醒も、“天使”の力で早いのだろう。

「“天使”! 待って‼︎ 星也が! 星也が‼︎」

『こうなってはどうしようもない! 奴だ! 奴が【堕天】なんだ‼︎』

 光に手を翳す宿儺を上空から見下ろし、華が目を見開く。

『【堕天】がより強く根を下ろす前に、彼から剥がし、消し去る! 賭けるしかないんだ! もう……っ‼︎』

 “天使”の言葉に、華の心も決まったようだ。

「……返せ」


 ――【光よ、全てを浄化したまう光よ……】


『【罪、咎、憂いを消し去り、彼の者を導きたまえ――】』


 華の身体が強い光を放つ。その光は今までよりも強く、焼けるほどの痛みを伴った。

 彼女が手を口元までやると透明な喇叭が現れ、華は大きく目を開き、宿儺を見据える。


 ――【出力最大 邪去侮(やこぶ)の梯子】‼︎


 詩音の呼んだ黒く淀んだ雲を覆う光が一つに収束し、宿儺へ降り注いだ。

 天上から頭蓋を露わにした幼い天使たちが舞い降り、華の放つ喇叭の音色に楽しそうな声を上げる。その度に光は宿儺を苛んだ。

 身体を焼き滅ぼそうとする清浄な光に宿儺は悲鳴を上げてもんどりを打つ。
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