夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第21章 声にならないラメントーソ【熟む/膿む】
「……もう黙れ」
低い声音でそう言って、星也が取り出した【天枢】の切っ先を津美紀――いや、女に向ける。
「それ以上、津美紀の姿で喋るな」
「あらヒドイ。そんな物騒なものを向けてくるなんて。でも、あなたは気づいてたでしょ。こそこそ こっちを探っていたものね」
――気づいてないと思ってた?
ほくそ笑む女に、星也が眉を寄せる。
「……星也さん……」
「……兄さま」
思わず星也を呼ぶと、詞織と言葉が重なった。そんな伏黒たちに、星也は「……すまない」と小さく謝罪を口にする。
「星也さん! どうなってんだ⁉︎ なんで今まで黙って……⁉︎」
「――言えるわけないだろ!」
詰め寄る虎杖に、星也が珍しく声を荒げた。
「詞織と恵に……どう話せばよかったんだ? どちらにせよ、津美紀を助けるには【死滅回游】からの離脱は必須。だったら……」
「舐められたものね。アタシがただ大人しくしてるわけないじゃない」
吐き捨てるように言う女に、星也がギリッと奥歯を噛む。
「アタシは万(よろず)。昔の連中になら、まだ通じるかもね」
髪の毛先を弄りながら、女――万が口角を上げた。