夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第21章 声にならないラメントーソ【熟む/膿む】
真希と示し合わせ、虎杖たちは予定通り、ビルの屋上にある結界の縁で津美紀の到着を待っていた。
そこへ、一人の女性がふらつきながら現れる。
「おっ? とっと?」
髪をポニーテールに結った、同年代の女性。伏黒と違い、雰囲気もかなり柔らかい。
「あ、恵に詞織。すごいビックリ……えっと、久しぶり……なんだっけ?」
困ったように眉を笑う津美紀に、隣にいた詞織が小さくしゃくり上げる。
「津美紀……っ!」
まるで体当たりでもするように詞織は津美紀に抱きつき、声を上げて泣きじゃくった。
「詞織、ありがとう。私のために頑張ってくれて」
「そんなの当たり前だよ……っ!」
詞織の頭を撫でる津美紀に伏黒も近づき、「よぉ」とぶっきらぼうに声をかける。
「恵もありがとう。無茶してない?」
「別に」
津美紀に短く応じ、伏黒がいまだ泣き続ける詞織の頭を撫でた。
「……にしても、星也さんの推測が当たってたのな。『コガネに応えなきゃ“転送”は起きない』かもって」
「推測の域は出なかったけど、成功してよかったよ」
虎杖の言葉に、星也が淡々と返してくる。
星也と伏黒が気づいた一つの可能性。
確かに、自分や伏黒たちもコガネに参加意思を確認されて応えた。むしろ、『参加するかい?』とコガネは問いかけてくるのだ。応えるのが普通だろう。