夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第16章 束の間 奏でるクリシェ【仇名/直接会談】
「ハライタ?」
首を傾げる髙羽に「……いや」と返した虎杖は、突如 横にはならずにバッと手を大きく広げた。
「HG⁉」
髙羽も真面目に驚いているのだろうが、こちらも真面目にやっているので今回は無視。
とにかく、今は華に気づかれないように、宿儺の情報を伏黒たちに伝えなければ。
虎杖の奇行に伏黒と詞織がビクッと目を見開き、星也が怪訝そうに微かに眉を寄せる。
幸いなことに、華はいまだ憂い顔の星也に夢中でこちらの様子に気づいていない。
虎杖は両手をパタパタとして【堕天】を表現。続けて自分を指さし、髪をかき上げ目元の傷を強調して宿儺のジェスチャーをする。
――【堕天】! 俺の中! 宿儺‼
伝われ! とダメ押しで念を送る。
三人の表情を見ると、伏黒は虎杖の突然の奇行に渋い顔をし、詞織は目がグルグルなって混乱している様子だった。
星也にも伝わっていないようで、考えすぎているのか、何なら能面レベルで表情が消えている。だが、そんな能面レベルの星也のことも、華はうっとりと見つめていた。助かる。
虎杖はもう一度 同じジェスチャーを繰り返し、宿儺の仕草を真似して髪をかき上げ、必死に伝え続けた。そんな虎杖に、三人も揃って意図を汲もうと考えてくれる。
不意に詞織がハッとした表情で華を見た。
「ん? どうかしましたか、詞織?」
「ううん、何でもない」
慌てて首を振る詞織の様子に、伏黒と星也も目を瞬かせ、もう一度 こちらを見た。その表情は、確かに驚愕と緊張が滲んでおり、虎杖の意図が明確に伝わったのだと確信する。