夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第16章 束の間 奏でるクリシェ【仇名/直接会談】
「――悠仁?」
「……虎杖? どうした?」
「ユージ、大丈夫?」
三人の声に、虎杖はハッと我に返る。気がつけば、詞織が心配そうに服の袖を引いていた。
周りを見れば、全員の視線が虎杖に集まっている。
――どれだけ意識が飛んでいたんだ?
いや、そんなことはどうでもいい。
宿儺が【堕天】――つまり、“天使”の抹殺対象は自分だ。
それに思い至り、虎杖はだらだらと冷や汗を流した。
「ユージ、やっぱり変。どこか具合悪いの?」
心配そうな夜色の瞳が虎杖の顔を覗き込んでくる。
「そ、ソーダネ……チョット具合悪イ カモ……」
「悠仁、ベッドに行こう。姉さんに習ったから、簡単な触診くらいならできる」
違う違う!
心配してくれるのはありがたがいが、本当に具合が悪いわけではないのだ。本格志向で触診をされても、何もでてきはしない。
ほとんど反射なのだろうが、腰を上げようとする星也に虎杖は慌てて口を開く。
「いやぁ……あ、横になればすぐ治るから。来栖、ソファ譲ってくんない?」
「いいですよ」
ソファから立ち上がった華が、星也の正面に腰を下ろした。テーブルに肘をついた華は、上機嫌で星也の横顔を見つめるが、彼の顔から心配は消えない。