夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第17章 背負う重さのデチーゾ【間話】
「なんて顔してるのよ。らしくもない」
思わず額を押さえて目を瞬かせると、真依は呆れたような顔でこちらを見ている。
「理屈はどうあれ、生き返っちゃったものは仕方がないわ。垂水先輩、しっかり責任 持ってよね。あなたが死んだら、あたしも死ぬんでしょ」
「はっ、誰に言ってんだよ」
真依の言葉に、どこかほっとしている自分がいることに気づいた。
「そういえば、真希さんは?」
不意に順平が首を傾げる。
「たぶん、九州に行ってるわ。あたしが『禪院家を全部 壊して』って頼んだから」
「えぇっ⁉︎ それって大丈夫なんですか⁉︎」
「大丈夫なわけないでしょ。呪術界の勢力図が変わる。もはや反逆だよ」
顔を青くする順平に答えてやり、垂水は立ち上がって大きく伸びをする。
「それがお前たちの出した答えなら、あたしが言うことは何もないよ。それより真依、こっちに来い。前例がない分 どこまでできるか分からないが……できる範囲で検査してやる」
前例がない、ね。
そう思いながら、羂索のことを思い出す。死体を乗っ取り、故人の術式を使うバケモノ。
本人の意志に反し、無理やり死体を動かしている点だけ見れば、自分のやっていることは奴とほんとんど変わらない。
内心で自嘲し、垂水は目を伏せた。
「垂水先輩」
不意に真依に呼ばれ、顔を上げる。
「ちゃんと待っててよ。黙って行かないでよね」
眉を寄せながら念を押してくる真依に一瞬 面食らうも、垂水は「はいはい」と苦笑した。
自分のした選択は間違っている。
他人の人生どころか魂を歪め、無理やり命を繋ぎ止めた。
これが「正しかった」と言える日は一生来ない。
それでも……これは“オレ”の選択で、“オレ”にとっては間違っていない。
この選択を後悔しないこと。それが“オレ”の責任の負い方だ。