夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第16章 束の間 奏でるクリシェ【仇名/直接会談】
「兄さま、何?」
わざわざ人払いをした星也に詞織が尋ねる。
「ごめん、恵。シャワーに行く前に、先に確認させてくれ。【死滅回游】で恵が51点、詞織が37点を持ってる。この得点――殺した分も含まれてる?」
ビクッと詞織の肩が震えた。伏黒も何も言えずに俯く。
詞織の得点が加算されたのは、『泳者間での点の譲渡』が可能になる前。少なくとも一人は殺している。
そして、伏黒も針とレジィの二人を殺した分が含まれている。
二人揃って何も言えずにいると、星也は軽く息を吐いた。
「もういいよ。なら、もう一つ。それは……津美紀のため?」
その問いに、詞織が弾かれたようにバッと顔を上げる。
「違う!」
泣きそうな顔をして唇を震わせる詞織の手を握り、伏黒も真っ直ぐに星也を見た。
「俺も違います」
津美紀を助けたいと思っている『自分のため』に殺したのだ。津美紀を言い訳にするつもりはさらさらない。
伏黒と詞織を見つめ、星也は悲しそうな笑みを浮かべた。
「そうか――よく、頑張ったね。キツかっただろう」
思いがけない星也の言葉に、伏黒は詞織と目を見瞠る。この流れで、まさか労いの言葉をもらうとは思わなかった。
二人の反応に、星也は目を伏せる。