夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第15章 わずかに見えてきたスペランド
「……定価で許してやる」
う〜ん。
納得いかない部分はあるが……割増しがなくなっただけ良しとするか。
カートに買い物カゴを乗せ、虎杖は食品コーナーへ進んだ。
「パンとかおにぎりは賞味期限が切れてるよなぁ」
「ここは電気がちゃんと通ってるし、冷凍食品なら問題ないはず。ホテルの部屋に電子レンジもあった」
「お、そうだな」
虎杖にそう返した詞織は、ショッピングカートを冷凍食品コーナーに動かす。
「でも、なんで停電してねぇのかな?」
後ろをついて来ながら、髙羽が首を傾げた。
「そもそも、今回の件は地震みたいな自然災害じゃないから、勝手に電気は止まらない。それに、呪霊は建物より人を襲う」
「詞織の言う通りです。漏電のリスクはゼロではないけど、取り残された人のことを考えて、結界の外からの電力供給は止めないことになったんですよ」
詞織と華の詳しい解説に、虎杖も「なるほど」と髙羽と一緒に頷く。
「髙羽さんは結界の外で泳者になってますよね? ここに来るまでニュースとか見ませんでしたか?」
「俺、ニュースとかあんま見ないから」
「大人の無邪気は邪気ですよ」
あっけらかんとした髙羽の態度に、華がイラッと眉を寄せた。
「【死滅回游】の妨げにならないように、羂策が上層部を通して働きかけたのかも。お腹が空いてるんじゃ、満足に殺し合いなんてできないし」
「うわ……ありそう……」
詞織の率直な意見が現実味を帯びていて、虎杖はドン引きする。