夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第15章 わずかに見えてきたスペランド
「兄さまは? 津美紀に会ったんでしょ? どうだった? 元気だった?」
珍しく饒舌に畳みかける詞織に、星也は思わず視線を逸らす。
「……意識は戻ってた。詞織と恵が無茶をしてないか心配していたよ」
「津美紀……よかった……!」
夜色の瞳を潤ませ、詞織が肩を震わせながら安堵の涙を流した。ようやく、津美紀を助ける希望を見つけたこともあって、緊張の糸が解けたのだろう。
こんな詞織に「もしかしたら津美紀は……」なんて、口が裂けても言えない。
詞織の肩に髙羽が触れる。それをパシッと詞織は払いのけた。一緒に行動していたようだが、まだ心の距離があるらしい。
「話を続けるよ。津美紀と会った後はすぐに結界に入り、“天使”を探した」
「でもさ、星也さんの術式だと本名がいるんだろ? 大丈夫だったの?」
虎杖の疑問に、星也は「あぁ」と頷いた。
「【失せもの探し】のことだね。結界に入ってすぐに使ったけど、やっぱりダメだったんだ。でも、探す方法は他にもいくつか持ってるから、問題なかったよ」
自分と合流しようとしているパンダを置いたままにしてしまったのは申し訳ない。