夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第15章 わずかに見えてきたスペランド
「恵、しっかりしろっ!」
命に別条はないが、呼吸が浅い。呪力を急激に消費したことによる過労か。早く安全な場所で休ませないと。
「星也、その人は……」
「“弟”だよ。それより――【太裳】、恵を運べ。丁重に」
巨大な翡翠色の姿に、華が感動したように緑色の瞳を揺らした。
伏黒に薬師如来の真言で【反転術式】をかけると、星也はその身体を抱き上げる。
手のひらに伝わる体温の低さに、嫌な焦燥が胸を掠めた。唇を噛み、【太裳】の背に伏黒を乗せると、【白虎】を下がらせる。
自分も【太裳】に乗り、華には後ろからついて来るよう声をかけた。
確か、近くにホテルがあったはず。まずはそこで休ませて、詞織や虎杖と合流――……。
「兄さま⁉」
「あれ、星也さん……と、伏黒⁉」
地上から呼びかけてくる声に見下ろすと、そこには詞織と虎杖の姿があった。
後ろにもう一人、片側はヒーローのようなデザインの青いタイツで、もう片方は裸の――なんだ、あの男。
まぁ、いい。詞織や虎杖が一緒なのだ。味方という判断でいいだろう。