夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第15章 わずかに見えてきたスペランド
「ぐ……っ!」
「星也、大丈夫ですか⁉」
結界を抜けた途端 身体中を走る激痛に呻き声を上げた。
「あぁ、大丈夫だ」
滲む額の脂汗を軽く拭う。おそらく、無理に結界を押し通った反動だろう。
だが、無事に東京第2結界を抜け、第1結界へ入ることができた――が、結界の“転送”機能が発動していない。
結界の“転送”は【死滅回游】とは別のルール。
つまり、“転送”が起こるのは何か別の要因があるということか?
「ここは……?」
「新宿と池袋の間くらいだね。とにかく、まずは詞織や恵たちと合流しないと」
周囲を見渡す華に答えると、【白虎】がこちらを見上げてきていることに気づく。
「どうした、【白虎】」
物言いたげな視線と視線を絡め、意思を汲み取り――ハッと息を呑んだ。
「恵……!」
【白虎】は鼻が利く。何かを感じ取ったのだろう。
「星也……何かありました?」
「あぁ。少しつき合ってくれ。悪いが、最重要事項だ」
「え、えぇ」
戸惑う華を促し、星也は【白虎】を急がせる。
――頼む……無事でいてくれ……!
そして、路地裏で微かに漏れる呼吸を聞きつけ、倒れる陰に血の気が引いた。
「恵!」
【白虎】から飛び降りる星也を追いかけ、華も翼をはためかせて追いかけて来る。