夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第11章 アディラートに奮い立つ【東京第1結界】
「そうはいかない」
レシートから変化させた二台のドローンが追跡してきた。さらにレジィは、バイクの契約書を使い、原付バイクで追いかけて来る。
――ここまでは想定内……。
少し離れた総合体育館で【鵺】を降ろし、伏黒は中へ入った。ぐるりと見渡し、「よし」と呟く。
イメージ通り。ちょうどいい広さだ。
けれど、相手だってバカじゃない。誘われている可能性は考慮しているはずだ。
「なーにを企んでるのかな、クソガキ君」
「オマエこそ、何か仕掛けてきたんじゃないのか?」
「まぁね~。呪術師は嘘吐いてなんぼよね」
瞬間――体育館の壁をぶち破り、二台のトラックが伏黒目掛けて突っ込んできた。舌打ちをした伏黒は、身を低くして車体の下に身体を滑りこませる。
反対側の壁に激突したトラックを見送ったところで、頭上から鉢植えが降ってきた。さらに距離を詰めたレジィによる剣戟の嵐、そこへ前方から大根が先端から杭のように飛んでくる。
「大根⁉」
その背後から追いかけるように飛んできた包丁が大根を縦に斬り裂き、とっさに自分を庇った伏黒の腕に刺さった。
追い打ちをかけるように顔面に蹴りを受け、大きく吹き飛ばされてしまう。
「俺が再現した物は式神みたいなモンだから、簡単な命令なら与えられるんだよね。包丁だって、普通は飛ばないでしょ」
確かにそうだな、と伏黒は内心で納得した。