夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第11章 アディラートに奮い立つ【東京第1結界】
『泳者による【死滅回游】へのルール追加が行われました』
微妙にタイミングをズラしながら、四体のコガネがそう言った。
〈総則〉
10.泳者は他泳者に任意の得点を譲渡することができる。
ルールの追加!
虎杖か詞織――もしくは二人ともの可能性もある――が、日車と接触して説得できたのか。
「ンだぁ? このルール……」
一度 口角を上げた伏黒は、一気に針と距離を詰め、蹴りを食らわせた。
そして――……。
「――【満象】‼︎」
狭い通路に【満象】の巨体が現れ、壁を突き破る。そのまま針が再び真っ逆さまに投げ出された。
「コイツ、また……!」
伏黒はすぐに【鵺】を呼び、足に捕まって滞空する。さらに落下中の針に跨り、呪具の柄で何度も強かに殴りつけた。そのまま駐輪場の屋根に着地する。
「テメェ! よくも……!」
血塗れの顔で呻く針の額へ呪具の切っ先を突き刺した。悲鳴も上げられずに倒れた針に、伏黒は深く重く息を吐き出す。
何をしているんだ、自分は……。
これからも点は必要だ。だが、もう津美紀に殺し合いが強制されることはない。
焦るな、皆を信じろ。
コイツらの持ち点に拘るな。
『――5点が追加されました』
自分はただ全力で、降りかかる火の粉を払えばいい。