• テキストサイズ

夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】

第10章 ディスペラートの呼び声【裁き/東京第1結界】


「日車君。君は確か、検察官か弁護士を志望していたね。どうかな。裁判官を目指してみないか?」

「……出世に興味のない自分には、向いていません」

 上司にそう言われ、日車はもっともらしい理由でその申し出を断った。

 ・

 ・

 ・

 人は皆、弱く醜い。


 ――「縋りついてきた手を振り払わないように――私だけは、目を開けていたい」


 あのときは……少なくともあのときまでは、確かにそう思っていた。
 他の生物にはない その穢れこそ、尊ぶべきだと思っていたんだ。


 それなのに――なぜだ、虎杖 悠仁……!

 なぜ、罪を認めた……⁉


【ジャッジマン】から提出された証拠の情報は、開封前から術師本人には共有される。

 あの審理で提出された証拠に記載されていたのは、虎杖 悠仁の中に巣食う悪魔――【両面宿儺】について。



 ――オマエは殺していない!



 有罪判決を食らえば不利になるのは分かっていたはずだろう。

 それが分かっていて なぜ 否認しない!
 なぜ 言い逃れをしない‼


 なぜだ! なぜ……‼


 真っ直ぐに向けられた虎杖の視線――その眩しさから逃れるように、日車は目を閉じた。

 フッとガベルを消すのと同時に、虎杖の拳が日車の腹にねじ込まれ、観覧席を倒しながら後方へ吹き飛ばされる。

 ゲホッと咳込むと、虎杖が戸惑ったように「おい」と声を掛けてきた。
/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp