夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第10章 ディスペラートの呼び声【裁き/東京第1結界】
「凄いな!」
こんなに驚いたのは何年ぶりだろうか。職業柄、表情や声音に感情が乗らないようにしているが、さすがに驚きを隠せない。まるで、壊れない人形を相手にしているようだ。
だが、虎杖の表情には焦りがありありと滲んでいる。呪力が使えないのだ。どれだけ頑丈でも、これだけの猛攻を何度も防ぐことはできないだろう。
【没収】の効果が切れる、もしくは打開策を取られる前に押し潰す。
柄を握る手にグッと力を込めると、虎杖がハッとした表情で目を見開いた。
「――日車ぁ‼」
突然 虎杖が叫んだ。
「やり直し――もう一回だ‼」
その言葉を合図に、劇場が再び日車の【領域】に変わり、互いに証言台のような場所へ配置される。
「……気づいたか」
「あ……危ねぇ。に……二審ってヤツだよな」
日車の猛攻に限界を感じていたのか。膝をついた虎杖が荒い呼吸を整える。
できれば、気づかれる前にケリをつけたかったのだが。ニュースやドラマで多少 知識を持っていれば知っているか。
【ジャッジマン】に有罪を言い渡されて罰を科された対象は、罪を認めない限り 二回まで裁判のやり直しを請求できる。
【ジャッジマン】がこれを断ることはない。