夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第10章 ディスペラートの呼び声【裁き/東京第1結界】
「呪力が練れなくなっているのか?」
虎杖から感じていた呪力――【領域】を展開する直前には、確かに拳に纏っていた。
だが、投げたガベルが虎杖の腕に当たったとき、それに先ほどまでの猛攻のときも、虎杖が呪力で身体強化している気配は感じなかった。
「アンタがやったんだろ」
そう言って虎杖は、ガベルが掠めたことで中途半端に破れた制服の袖を引きちぎって投げ捨てる。
どうやら虎杖は、呪力が練れないのは 裁判で有罪判決を受けたからだと思っているようだ。まぁ、ここまでの流れをみれば そう考えるのも無理はないし、あながち外れというわけでもない。
「【没収】の罰(ペナルティ)は一時的に術式の使用を不可能にするものだ。察するに、オマエは術式を持っていなかった」
だから、罰が“呪力の使用不可”に変わったのだろう。
肯定する気配はないが、表情から察するに当たりだ。隠し事ができないタイプだな。
それにしても、自分で言っていて恐ろしい。
なぜ、呪力なしで対等に渡り合える?
日車の攻撃は、当然 呪力で底上げしている。にも拘わらず、虎杖は呪力なしで攻撃を躱し、防ぎきっている。
つまり、呪術師としてではなく、生来の肉体。生物としての強度が恐ろしく高いのか。