夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第10章 ディスペラートの呼び声【裁き/東京第1結界】
修習五十九期 岩手弁護士会所属――日車 寛見 三十六歳。
T大法学部受験、法科大学院導入前の旧司法試験など、あらゆる難関をストレートで通過。
しかし、日車にとって それらは必要な知識を入力し、必要なだけ出力する簡単な作業だった。
「天才」――日車を知った凡夫は囁く。
だが、日車の中で最も光る原石は――……。
日車はハンマーから元のサイズに戻したガベルを左手に握り、虎杖へ振り下ろした。さらにガベルを消して右手に出現させ、もう一度 振り下ろす。
また消して、今度は逆手に持ち替え、ドドドドッと激しい音を立てながら連撃を叩き込んだ。
しかし、どの攻撃も虎杖は躱してみせた。
虎杖が反撃するべく腕を振り上げる。
日車はすかさずガベルを鞭のように伸ばし、先端を虎杖の腕に引っ掛けた。そのまま強く引いて転倒させようとしたが、彼は体勢を整えて着地する。
日車の中で最も光る原石は――呪術師としての才能だった。
【領域】がデフォルトで備わった自らの術式を解明することで、結界術の基礎をも同時に習得。
結界術から逆算する形で呪力操作による強化術の勘を掴み、術式開花から十二日間で、一級術師と比べても遜色のないレベルまで成長。
結界侵入前の数多くの呪霊を退け、二十人以上の泳者を返り討ちするに至る。