夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第10章 ディスペラートの呼び声【裁き/東京第1結界】
「俺はパチンコ店『マジベガス』に入店したが、急な便意でやむを得ずトイレを借りただけ」
――だから無罪です!
③は捨てる。情状酌量があるのか知らないが、これが一番 印象が良い気がする。
「そうか。では、俺の番だな」
そう言って、日車が封筒を開けて中身を取り出して見せてきた。
「これは本件当日、『マジベガス』付近の古物商……言ってしまえば、換金所の防犯カメラのキャプチャだ。人相や背格好、全て虎杖 悠仁本人と見て相違ないな?」
虎杖は頭を抱えて天を仰ぐしかなかった。反論の余地もない決定的な証拠である。
「入店を認めた今、このキャプチャを見る限り、トイレ云々は信じるに値しない。やはり、虎杖は十八歳未満でありながら、遊技目的で入店したと見られる」
「それは……何罪?」
「店は明示的に十八歳未満の入店を拒否しているから、刑法130条 建造物侵入罪だ。風営法では、未成年自身は処罰されないからな」
ごめん……伏黒、詞織。どうやら逮捕は免れないらしい。一人は寂しいので、定期的に面会に来てくれ。
「ズルだろ、そんなん。どう言い訳しても意味ねぇ」
③が正解だったのか……?
「何を言っている。賭博が禁じられている日本では、店と換金所は別法人だ。複数店で換金所を共有している場合もある。そして、問われているのは あくまで『マジベガス』に対する入店のみ。君はただ、『そんな店は知らない』と容疑を否認すればよかったんだ」
そういうことか。虎杖が無罪を勝ち取れる方法もきちんと用意されていたが、知識不足と考えの足りなさでソレを逃してしまった。
伏黒や詞織なら躱せたのだろうか。