夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第10章 ディスペラートの呼び声【裁き/東京第1結界】
「【ジャッジマン】、始めてくれ」
すると、【ジャッジマン】と呼ばれた式神が口を開いた。
『――虎杖 悠仁は十八歳未満にも関わらず、二〇一七年七月十六日 宮城県仙台市のパチンコ店「マジベガス」に客として入店した疑いがある』
「あ?」
一体 何の話をしているんだと顔を顰めた虎杖は、無意識に記憶を辿り、「あ」と思わず声を漏らす。脳裏に蘇った故郷のパチンコ店に、虎杖は頭を抱えたくなった。
「いやぁ~~? あのぉ? そのォ~~」
全ッ然 うまい言い訳が見つからない。
え? 何これ? 逮捕されちゃうの?
【死滅回游】の真っ只中で、伏黒の姉も助けないといけないのに。
こんなところで刑務所に入れられちゃうの?
どうしよう。伏黒と詞織になんて言えばいいんだ。
「【ジャッジマン】は領域内の者の全てを知っている。だが、心配するな。俺にその情報は共有されない。判決はあくまで、我々二人の主張をもとに下される――この証拠を除いてな」
突如、日車の手に呪力を纏って封筒が現れた。
「これは、【ジャッジマン】から提出された本件の証拠。この証拠は必ずしも君の疑いを確定するものではないが、内容を君に教える気もない。その上で君は、言い分を述べて疑いを晴らし、【ジャッジマン】から『無罪』を勝ち取らねばならない」
――裁判の術式。
よく見れば、ドラマでもたまに見かけるヒマワリの中央に天秤が描かれた弁護士バッジをつけていた。自由と正義、公正と平等を掲げるバッジだ。
弁護士という話は本当だったようだが、やっていることは検察っぽくないだろうか。