夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第10章 ディスペラートの呼び声【裁き/東京第1結界】
「言い方を変える。100点を使わせろ、日車」
拳に呪力を乗せて威嚇すると、日車がバスタブから出てきた。
「気に入らない奴をブチ殺したことはあるか? 気持ちがいいぞ」
言いながら、彼は緩めていたネクタイを締め、乱れた着衣を整える。いつの間にか彼の手には木槌が握られ、背後に瞼を縫いつけられた式神が現れた。式神の両手には天秤がぶら下がっている。
日車は100点保持者。術師を二十人 殺しているかもしれない。無闇に飛び込めない。後手に回るが、どんな攻撃でも対応する。
一挙手一投足を見逃さないよう、虎杖はステージ上の日車を見据えた。
そして、日車が動く。
「――【領域展開 誅伏賜死(ちゅうぶくしし)】」
カンカンカンッと木槌が打ち鳴らされるのと同時に、虎杖と日車を取り囲むようにギロチン台が並び、法廷空間が広がった。
【領域展開】――なら、術式を発動する前に倒す!
虎杖は証言台のような柵を飛び越え、日車に蹴りを放った――が、ビタッと見えない壁に阻まれる。
「ここでは、あらゆる暴力行為は禁止されている。お互いにな」
「お互い?」
日車が虎杖の足に触れて押しやると、元いた証言台のよう場所に戻ってきていた。
「あぁ、すまない。言葉の暴力は別だ」
そうつけ加え、日車は己の式神を振り返る。