夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第10章 ディスペラートの呼び声【裁き/東京第1結界】
「いや? 俺は【死滅回游】に可能性を感じている。時に法は無力だ。だが、【死滅回游】の総則はどうだ? 俺に与えられた呪術が本物なら、総則も本物なのだろう」
告訴も公訴も必要ない。
真偽を争うこともなく、総則を犯した者は物理法則のように罰せられたら?
「素晴らしいことじゃないか。総則に問題があるのは認めるが、回游の土台の結界術(システム)は見守りたい。すぐ終わっては困る。特に総則2と8の『術式の剥奪』は一度 見届けたい」
術式の剥奪――死と同義であると考えられているペナルティだ。なぜ『死ぬ』ではなく『術式を剥奪する』という文句に変えているのかは分かっていない。
けれど、見届けたいと言われて それまで待つことなどできない。
「【死滅回游】はそれ自体が儀式だ。もたもたしてると この国の人間全員 死ぬぞ」
脅しのつもりで言ったが、日車は嘲笑うように鼻を鳴らした。
「……ガセだな。【死滅回游】は永続を謳っている」
――『泳者が全員 死ぬか、泳者が全員 参加を拒否して死ぬか。それまで【死滅回游】は終わらない。【死滅回游】の総則にある“永続”は、あくまで儀式を中断させないための保険だよ』
そう、天元が説明してくれたが、自分もよく分かっていない。説明するのは無理だ。
このままでは説得なんてできない。
だったら――……。