夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第10章 ディスペラートの呼び声【裁き/東京第1結界】
「アンタ、日車だよな」
「いかにも」
「話がしたい」
実は……と続けようとして、男――日車が「待て待て待て」と止めてくる。
「俺は弁護士だ。俺と話すと三十分五千円の相談料が発生するぞ」
「えぇ……」
「冗談だ。ちょっと嫌な弁護士を演じてみたくてな」
「そっか……」
なんか面倒くさい感じのヤツだな。
「――アンタ、100点 持ってるよな」
だが、さっきからコイツ……やっていることも、話も言動も、過去の人間ではない。
受肉した過去の術師ではなく、術式が開花した現代の術師。
――「巻き込まれた現代人の術師なら、むしろ積極的に情報交換ができるかも」
話が通じる! 交渉の余地がある!
弁護士と言っていたな。頭のいいタイプなら、回りくどくダラダラ説明されるのを嫌う。
「えーと、端的に……俺たちは【死滅回游】を終わらせたい」
そこまで言って、「あ、タンマ」と手を上げる。
「終わらせるってよりは、殺し合いの強制を無効にしたい。そのためのルール追加に、日車の100点を使わせてくれ」
「俺も端的に言おう」
――断る。
「それも冗談か?」
鋭い視線で拒絶の言葉を紡いだ日車に、虎杖も眉を寄せて凄んだ。