夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第9章 そして始まるアンシオーソ【結界/東京第1結界】
「――げぇ⁉」
結界に入ると同時に、虎杖は上空から落下していた。
伏黒と詞織がいない。なんで……。
いや、考えている場合ではない。近場に降りられそうなビルもない。
地上には叩きつけられて死んだのか、べっとりとあちこちに血が飛び散っている。頑丈さが売りの虎杖でも、呪力で強化したとしたって、この高さから叩きつけられたら彼らの二の舞だ。
そこへ、ビルの屋上からチカチカと光の棒が揺れた――誘導灯? 泳者か?
瞬間――ミサイルのような速さで何かがぶつかり、いくつもビルを突き抜けて吹き飛んだ。どうにか呪力で防ぎきり、近場のビルの屋上に着地する。
襲ってきたのは女――長い髪をジェット機のように変形させた術師だ。
虎杖は着地の際に握り込んだ瓦礫に呪力を込めて構え、無線か何かで連絡を取っている女に投げつけた。轟音を立てて民家の屋根を突き破り、墜落した女に首を傾げる。
随分と呆気なく落ちたものだ。日車のことを聞きたかったのに。
とりあえず、墜落した女に聞いて、その後は伏黒や詞織と合流しなければ。
そんなことを考えていると、ババババ…とプロペラの回る音が近づいてきた。