夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第9章 そして始まるアンシオーソ【結界/東京第1結界】
「――日車は“新宿”にいる」
「新宿……」
二人も向かっているといいが……情報を集めているのなら、自ずとそこに辿り着くだろう。
そこで、ふと『要町駅』の駅が目に入り、「おい」と麗美を呼び止めた。
「池袋を通って新宿に向かうつもりなら やめろ」
物資が豊富な場所は人も集まりやすく、その分 泳者との遭遇率も上がるだろう。それよりも、真っ直ぐ新宿に向かった方が早いし、余計な戦いもしなくて済む。
けれど、「いいのよ」と麗美は返してきた。
「ここを通る理由は二つ。道が分かりやすいのと、近くにアタシの拠点がある。シャワーぐらい浴びさせて。ロクに休めてないの」
――面倒くせぇな。
そう思うものの、今はこの女しか情報源がなく、ついて行くしかない。
「コガネ、詞織の情報 出せ」
『またぁ? はいよ』
《神ノ原 詞織》
得点:005 変更:00回
滞留結界:東京第1
――点が増えていない。
ホッと安堵の息を吐いていると、麗美が「何?」と尋ねてきた。
「さっきもその子の情報 見てたよね? もしかして好きな子? 案外 彼女とか?」
「だったら 何だ」
コガネに表示された詞織の名前をなぞり、「もういい」と下げさせる。
「ふぅん? でも、ダメよ。今はアタシの騎士なんだから、アタシのこと考えててくれなきゃ」
「無茶 言うな。アイツのこと考えてない瞬間なんかねぇよ。それより、シャワーでも何でもいいから、とっとと済ませろ」
津美紀もそうだが、詞織や虎杖とも早く合流したい。
「せっかちね。彼女に嫌われるわよ」
余計なお世話だ。オマエに心配されることじゃねぇよ。
軽く舌打ちをしながら、伏黒は麗美の後を追い、あるマンションへ入った。
* * *