夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第9章 そして始まるアンシオーソ【結界/東京第1結界】
「その過程で力に溺れていくヤツも見た。過去のだ現代のだで考えるのはやめることね」
過去の術師に触発されて現代の術師も戦闘モードというわけらしい。
死なないために戦う者、単に己の得た力を試したい者、過去の術師も戦いを求めて暴れているかもしれない。いつ襲われ、殺されるかも分からない状況――……。
覚醒タイプの術師なら情報収集も容易かと思ったが……考えが甘かったようだ。
二人が事前に話していた状況と違うことに気づいてくれればいいが……詞織は問題ないだろう。よく知りもしない相手の言葉を丸々 鵜呑みにするほど、詞織の警戒心は緩くない。
不安があるとすれば虎杖の方だ。アイツはあまり人を疑うことをしない。
「待て。いい加減 どこに向かっているのか教えろ」
そう言うと、「だからぁ!」と麗美が指をさして怒鳴ってくる。
「言ったら その後 アンタがアタシを殺さない保証がないでしょ!」
「着く前にオマエが死んだらどうすんだ」
「だから! アンタが! 守るんでしょうが‼ あと、オマエって呼ぶな!」
「万が一があるだろ」
伏黒も麗美を根っから信じているわけではない。一応 形だけは守るが、襲ってきた相手次第では捨て置くことも考えている。当然だ。こちらには津美紀を助けるという目的がある。
「ま、いいわ。ザックリとなら教えてあげる」
伏黒の表情から何を悟ったのか。一度 ため息を吐き、麗美は振り返った。