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夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】

第9章 そして始まるアンシオーソ【結界/東京第1結界】


「……津美紀……」

 絶命した剣持から剣を引き抜き、刃についた血を振り払った。

 どうせなら、『ポイントを譲渡させる』ルールを追加してから遭遇したかったが……考えても仕方がない。それは 追加されてからやればいい。

『ふふ……いい顔ね。今まで見てきた表情の中でも特に素敵だわ』

「黙ってて」

『あら、機嫌が悪いの? 人を殺して気が立っているのかしら? 100点がいるんだったわね。あと十九人。あなたに殺せる?』

 当然でしょ、と突き放すように返し、詞織は屋上の縁(ふち)に立った。

 別に、100点は自分で稼いだっていい。点を集めて【死滅回游】に総則を追加し、津美紀を助ける。

 それに、日車を説得できないことも考えておかなければ。すでに100点を持っている術師だ。力技でどうにもならない可能性だって充分にあり得る。


 ――津美紀。


 こんな やり方、津美紀が一番 嫌う。でも、彼女を助けるにはこれしかない。

『気に入らないわね。あなたが そんなに一生懸命になるなんて。術式も呪力も持たない、ただの非術師でしょ。それほど価値のある人間かしら』

「術師とか非術師とか関係ない。津美紀はわたしにとって家族で、大事な人だから……」

 たくさん一緒に笑った。怒られることもあって、悲しませたり、心配かけたり……。

 優しくて心根の綺麗な人。
 伏黒の言葉を借りるなら、疑うべくもない善人。

 自分たちは呪霊との戦いに身を置いている。だからこそ、誰よりも幸せであってほしいと願っていた。

 彼女の日常を守ることが、自分たちにとっての使命のような気すらしていた。

 ふらりとビルから落ち、術式で風を起こして地上に着地する。

 とにかく、日車の情報を集めなければ。他の術師も当たって、ついでに点も稼ぐ。
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