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夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】

第9章 そして始まるアンシオーソ【結界/東京第1結界】


「刀⁉ どこから――……」

 グッと押しやられ、詞織はそのまま後退する。

 先ほど、剣持は銃を構えた。【構築術式】ではないようだが、武器に関係した術式なのは間違いない。刀と拳銃――あとは何が出てくる?

 距離をとった詞織を、再び凶弾が襲った。散弾銃による攻撃。


「【夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらん】」


 月の光が現れ、詞織を守る。立ち込める砂塵が詞織を覆い隠した。


「【天雲に 近く光りて 鳴る神の 見れば畏し 見ねば悲しも】」


 バチバチッと爆ぜた稲妻に、剣持が「ぐぁ⁉」と悲鳴を上げる。

 経験が浅い――自分より格下の相手としか戦ってこなかったのだろう。

 詞織は砂塵から飛び出し、剣持へ切迫した。焦ったように彼は拳銃を構えるも、詞織は剣の切っ先で叩き落し、横っ腹に回し蹴りを食らわせる。

「くそっ!」

 尻もちをついた剣持が小回りの利きやすいナイフを突きつけてきた。その剣持の手を剣の柄で叩き、落下した“警棒”を足で蹴飛ばすと、彼の喉元に剣の先を突きつける。

「……ちょーっと強すぎない、キミ。戦い慣れてるよね?」

「あなたよりは」

 詞織は他に武器を取り出してこないか剣持を警戒しながら、視界の端に映る拳銃と警棒に目をやった。

 あれは『S&W(スミス&ウェッソン) M360J』――主に警察官が使用しているリボルバー式の拳銃だ。警棒も、警官が常時携帯しているもの。

 術師の手から離れて術式が解けたと考えると――おそらく剣持の術式は、同系統、もしくはそれに近しい物体を武器に変化させる術式。

 だから、リボルバー式の拳銃も任意の拳銃に変えることができるし、警棒も片手で持てる武器系統に変化させられる。
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