夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第8章 覚悟が回すスターホイール【熱~東京第一結界】
別行動を取ろうと提案してくる虎杖を、伏黒は「うるせぇ」と突っぱねた。
「こっちは心配してやってんだろ!」
「いらない。必要ない」
「必要ないってことはねぇよ! オマエらに何かあったら……!」
「オマエ、毎回 言うつもりか? 面倒くせぇ。時間のムダだ」
必死で言い募ってくる虎杖に、伏黒と詞織は頷かない。
当然だ。自分たちが今から向かうのは、100点を持つ術師だ。固まって動いた方がいいに決まっている。
それでも、譲らないのは虎杖も同じだった。
「宿儺は詩音でも敵わねぇだろ! 万一があったらどうすんだよ‼︎」
そのとき、空気がひんやりと震え始める。
『だったら、あたしが殺してあげましょうか?』
詞織の瞳が紅く染まり、詩音が艶やかに微笑んでいた。
『宿儺に出てこられたら さすがに難しいけれど、あなたのことなら一瞬で殺せるわよ。そんなに心配なら、三度目はあたしがあなたの心臓を止めてあげる』
――今、ここで。
「よせ、詩音。今 虎杖に死なれたら困る」
『あなたが困ろうと あたしには関係のないことよ』
「詞織も困んだよ」
けれど、詩音は『だったら何?』と逆に聞き返してくる。
そうだったな。コイツは詞織が自分のせいで一喜一憂しているのが好きなんだった。それこそ、怒りでも悲しみでも、なんなら絶望でも。