第2章 ぎこちなく響くアン・フェール【禪院家/狩人】
「呪術総監部からの通達で、夜蛾学長が連行されたのよ。五条と夏油を唆し、今回の渋谷事変を起こしたとして死罪認定するって」
「馬鹿な。夜蛾学長がそんなこと……」
加茂がそう呟くと、別のスーツの男たちがやって来た。
「与 幸吉。お前にも来てもらう」
「メカ丸……」
夜蛾が連行された理由は全く分からないが、メカ丸が連行される心当たりはある。無意識にメカ丸の袖を掴むが、彼にやんわりと振りほどかれた。
「メカ丸! 待って! 行かないで‼」
「ありがとう、三輪」
悲し気な微笑だけを残し、メカ丸は抵抗することなくスーツの男たちについて行ってしまう。
「霞……」
慰めるように真依と桃が寄り添ってくれて、三輪はその温もりに甘えた。
「歌姫先生、総監部からの通達は何と?」
加茂に問われ、歌姫は一つずつ指を立てていく。
「まず、夏油の死刑再執行。五条は今回の渋谷事変の共同正犯として永久追放。封印を解く行為も罪とする。夜蛾学長は五条と夏油を唆し、渋谷事変を起こしたとして死罪認定。メカ丸――与 幸吉も夏油の内通者 並びに従犯として死罪。虎杖君は死刑執行猶予を取り消しにし、速やかな死刑執行を決定。そして、その執行役に特級術師の乙骨君が任命されたわ」
メカ丸が、死罪……。
そう考えると、ガタガタと身体が恐怖に震える。
「夏油とメカ丸のとこ以外はデタラメじゃない」
「虎杖クンのことは、庇いようがないね。庇う気もないけど」
真依の言葉に垂水が続けた。
そう。メカ丸のことは事実で、彼は今回のことで責任を感じている。きっと、さっきのように抵抗することなく処刑を受け入れることだろう。
「今は考えてもどうにもならない。まずは治療だ。西宮と垂水は凍傷の治療のために病院に行け。自動車は呼んである」
垂水は右腕が動かず、西宮も動けないほどではないが軽度の凍傷がみられる。何をするにしても、治療をしてからでなければ動けない。