夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第8章 覚悟が回すスターホイール【熱~東京第一結界】
「……――ってことが前にあってな」
「そういや、そんなこともあったな」
いきなり家に乗りこんで来たかと思ったら、急にオープンしたてのスイーツバイキングを貸し切りにしたと言われ、何事かと思った。
「何か裏があると思ったけど、普通に美味しいケーキ食べただけだった」
詞織も覚えているらしい。どうせ五条のワガママだと思っていたが、まさか星也が一枚 噛んでいたとは。
星也と乙骨は、五条 悟の懐刀と評されるほど信頼されているが、五条をあれほど動かせる人間は、星也以外にいないだろう。
乙骨の場合は 性格的に遠慮しがちで、よほどのことがない限りは五条に頼み事などせず、自分や周りの力を借りて解決する。
星也も もちろん、安易に五条を頼っているわけではない。だが、最終手段としては いつでも存在している感じだ。
「すげぇな、星也さん」
「悟とつき合いは長い分、他の連中みたいな遠慮がないんだよ」
感心する虎杖に、パンダが頷く。
確かに パンダの言う通り、このスイーツバイキングの件のような、“可愛いおねだり”をしているのを何度か見たな。
「あの人なら五条さんを動かせそうだな。オレの話はあんま聞いちゃくれなそうだが、妹がコッチ側にいるなら聞く耳ぐらい持ってくれんだろ」
「もし それでも難しそうなら、俺がなんとかします」
そう言うと、秤が「あぁん?」と凄んでくる。