夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第8章 覚悟が回すスターホイール【熱~東京第一結界】
「すぐに退職願が提出されるはずです。僕だって、姉さんに危害を加えそうな輩を野放しにしません」
……何したんだ、この人。
思わず冷や汗を流す秤に、五条は「さすが」と得意げである。
「で、クビにして欲しいわけじゃないなら、僕に何してほしいの?」
「総監部に呼び出されたんですよ。一夜で山が消えたとなると誤魔化しも難しいですし、場合によっては呪術規定八条『秘密』の遵守も危うい。お小言をもらうくらいなら耐えますけど、状況次第じゃ謹慎もあり得るんで、五条家当主の力で庇ってもらえません?」
「なぁんだ、そんなこと。仕方ないなぁ。可愛い星也のために、このグレートティーチャーが一肌脱ぎますか!」
肩に腕を回し、パシパシッと五条が星也の背中を叩く。
「あと、何か奢ってくれませんか? ちょっと疲れたんで、美味しいものが食べたいです」
「もう、星也ったら今日は甘えたモードじゃん。いっつも そんくらい可愛げがあったらいいのに。あ、駅前のビルにスイーツバイキングができたんだって」
「男二人でスイーツバイキングって……周りから変な目で見られますよ」
「イケメンの僕と、僕の次にイケメンのオマエがいて、変な目で見られるわけないでしょ」
絶対 変な目で見られるだろ。
あらぬ誤解を生みそうな気すらする。
「姉さんたちも呼んで構わないならつき合います」
「お、いいね。星良も任務帰りだし、恵たちもそろそろ学校 終わる頃でしょ。じゃあ、僕と星也と星良、それに恵に詞織に津美紀……結構 大所帯だね。いっそ貸し切っちゃう?」
「ゆっくりしたいですし……店側が了承してくれるなら」
「僕を誰だと思ってんの。『ノー』なんて言わせるわけないでしょ」
浮足立つ五条と、その権力を使うことに躊躇いのない星也の姿に、秤は戦慄した。
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