夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第8章 覚悟が回すスターホイール【熱~東京第一結界】
「マジで⁉︎ 五条さん、封印されたの⁉︎」
「「「マジ(です)」」」
虎杖や詞織と一緒に、伏黒も大きく頷いた。すると、秤は「かぁーっ!」と頭を掻く。そこへ、パンダがパッと手を上げた。
「あと、ついでのようで悪いが、学長も死んだ」
その場に衝撃が走り、全員が息を呑んだ。
「パンダ先輩?」
「スマン、黙ってて。だが、本当だ」
どこか淡々としたパンダの雰囲気。すでに悲しむのは終え、自分の中で折り合いをつけたのだろうか。
そこで、虎杖の表情が強張っているのに気づき、パンダが「大丈夫だ」と声を掛ける。
「渋谷でじゃない。あの後、上とゴタついてな」
「でも……! だったら 良かったって……なるわけ、ない……」
「あぁ。だって、学長はパンダ先輩の……」
虎杖が悲しそうに眉を下げ、詞織が唇を強く噛み締める。ギュッと眉間に皺を寄せ、詞織が涙を堪えているのだと分かった。
「詞織、唇 噛むな。傷になるぞ。泣きたいなら我慢しなくていい」
彼女の肩を抱き寄せ、噛み締める彼女の唇に触れる。
夜蛾は詞織たち神ノ原兄姉妹の父親と友人だったらしい。その縁もあり、秘匿死刑が決まった際には口利きをしてもらい、保留にしてもらっていた。
夜蛾も詞織たちのことは我が子のように気にかけており、事あるごとに様子を見に来ていたところを見たことがある。
「……いい。わたしはパンダくんより悲しくない。今は……泣いてる場合じゃないから」
「悠仁も詞織もありがとな。それも含めて『大丈夫』だ」
詞織をこちらに向かせ、目尻に溜まっている涙を拭ってやる。
確かに 詞織の言う通り、泣いている場合ではない。それは、全てが終わってからだ。