夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第8章 覚悟が回すスターホイール【熱~東京第一結界】
「オマエら、降りてこい。取引だ」
指先でこちらに来るようジェスチャーをすると、真っ先に伏黒の隣にいた詞織が「ユージ!」と飛び降り、虎杖のところへ向かった。
「……え? 解決……納得してもらえたんですか?」
そう尋ねると、綺羅羅が「うん」と頷く。
「ありがとうございます?」
「いいよ」
突然 話の流れが変わったことに伏黒は戸惑うが、綺羅羅は何でもないことのように相槌を打った。
「上の連中は嫌いだけどね、なんやかんや 高専で人助けをしてた金ちゃんが一番 熱かったから」
楽しそうに笑う綺羅羅に、パンダだけが納得いかないように「うーん……?」と首を傾げる。
確かに、人助けとは縁遠そうだが……いや、偏見と決めつけはよくない。
術師をやっているのだ。秤だって、人のために戦う志を持っているのだろう。
視線の先では虎杖が秤にもう一発 頭に拳をもらい、詞織が庇うように割って入る。
虎杖がしこたま殴られている間も、普段 表情を変えない詞織が珍しく悲鳴を上げて顔を青ざめさせていた。
そこへ、詞織は虎杖を押し倒し、泣きながら【反転術式】をかけ始める。
「恵ちゃんだっけ? アレ、いいの?」
「いいわけないでしょ」
パンダが呼んでいたのを覚えていたのだろう。さすがに この名前に『ちゃん付け』をしたら もはや 女の名前なので気に入らないが、目の前の光景はもっと気に入らない。
ツカツカと大股で下まで降り、「もういいだろ」と詞織の肩を掴んで虎杖と引き離す。
詞織を見ると、顔を真っ赤にして大粒の涙を溢していた。その姿に苛立ちが募る。