夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第8章 覚悟が回すスターホイール【熱~東京第一結界】
「――【思ふこと むなしき夢の なかぞらに たゆともたゆな つらき玉の緒】」
詞織の【反転術式】に身体の痛みが引いていく。自分の顔に触れると、腫れも引き、血も止まったようだ。
「ありがと、詞織」
涙を拭ってやろうとすると、詞織がパシッとその手を叩いて拒絶する。
「キライだから。ユージのことは好きだけど……自分を大事にできないユージは……キライ……っ!」
「ごめん」
そこへ、伏黒もモニタールームのある扉の前まで降りて来て、詞織の肩を掴んだ。
「もういいだろ」
不機嫌そうに眉を寄せる伏黒が 涙を流す詞織を見て、さらに表情を険しくする。
「とりあえず、詞織を泣かせたオマエを一発ぶん殴っていいか?」
「……勘弁してください」
すでに秤にボコボコにされたのだ。傷も治してもらったばかりだし、単純にこれ以上 殴られるのは嫌である。
伏黒は低く舌打ちをすると虎杖をひと睨みし、少し強めに胸元を叩く。
「オマエが部品なら、俺も詞織も部品だ。【呪い】を祓うのと、【死滅回游】を終わらせる部品。そのこと忘れんな」
伏黒の言葉に、虎杖は「あぁ」とも「うん」とも頷くことはできなかった。
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