夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第8章 覚悟が回すスターホイール【熱~東京第一結界】
「ちょっ……! 聞っ!」
秤の攻撃をどうにか躱し、虎杖はモニターのあるテーブルまで退がった。
高専側だとバレたら、最悪まともに話を聞いてくれないかもしれないということだったが、本当にその通りだ。
「聞いっ!」
最後まで言わせず、再び電車のドアが虎杖を襲い、首を挟む。
「綺羅羅からのTEL番での着信はな、異常事態の合図なんだよ‼︎」
ケホッと咽せる虎杖へ、秤は拳を叩き込み、続けざまに顎を蹴り上げてきた。さらに畳み掛けるように拳の嵐が襲ってくる。
――「俺たちはあくまで秤さんにお願いしに来てる立場だ。多少は仕方ねぇけど……」
多少って どのくらいだ?
しかし、反撃しなければボコられて終わりだ。話すら聞いてもらえない。
意を決し、虎杖は秤の胸倉を掴んで引き寄せ、頭突きを食らわせた。
「聞けよ……!」
「やだね! 冷めちまってるからな……!」
ドッと腹に蹴りを入れられたかと思うと、逆に胸倉を掴まれ、そのままモニタールームの扉に向けて投げ飛ばされる。扉は吹き飛び、虎杖は外へ投げ出されてしまった。
「虎杖⁉︎」
「ユージ⁉︎」
伏黒と詞織が驚いたように名前を呼んでくる。
どうやら、屋上まで来ていたらしい。少し離れたところにパンダの姿もあった。
虎杖はフラリと立ち上がる。モニタールームからは、上着を脱いでタンクトップ姿になった秤が、苛立たしげに重たく息を吐き出しながら出てきた。
* * *