夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第7章 彼が求めるフリオーソ【潜入/熱/きらきら星/部品】
「どちらにしても、綺羅羅さんはわたしたちが何かしら条件を満たして、自分の目の届かないところでモニタールームに侵入されることを警戒してる」
「あぁ、ひとまずもう一回 試してみよう。スタンプラリー説が正しいなら、詞織の言う通り、俺たちはすでに三つの星を経由してる。本当に綺羅羅さんに近づけないなら理由があるはずだ。もし何かカラクリがあるなら探る必要がある」
そこまで話し合っていると、綺羅羅が動いた。術式を看破されたため、守りから攻めに転じる気らしい。
高く跳躍した綺羅羅が、ドンッと自動車のボンネットを踏みつける。すると、グラッと自動車が浮き上がった。
助手席のドアには《★Imai》が刻まれている。
「パンダくん!」
「パンダ先輩!」
引き寄せられるようにバンッと飛んできた自動車を、パンダが受け止めた。
「問題ない! それより、恵! 詞織! 綺羅羅のとこ行って来い!」
「はい!」
「分かりました!」
反射的にパンダへ丁寧な返事をすると、伏黒に手を引かれ、綺羅羅に向けて走り出す。
「ふんっ!」
「パンダくん、投げちゃダメ!」
「先輩と同じ《★Imai》の星を車につけたんです! 俺と【玉犬】のときみたいに、投げても戻ってくるか、引っ張られますよ!」
詞織たちの言う通り、自動車がパンダの元へ戻ってきた。それをパッカーンッとパンダは蹴飛ばしつつ格闘としている。
よく見れば、自動車には綺羅羅とは別の呪力の残穢があった。呪力に星を振っていることは間違いない。そして、無機物に星を振るには第三者の呪力が込められている必要がある。
もっというなら、一人分の呪力に振れる星は一つだが、一つの星に割り当てられる呪力は複数――……。
「メグ!」
不意に、引き寄せられるように瓦礫の礫が砲弾のように飛んでくる。とっさに伏黒の服の裾を引くが、彼は逆に詞織の身体を庇うように抱きしめた。
* * *