夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第7章 彼が求めるフリオーソ【潜入/熱/きらきら星/部品】
「くそ……どこつけたんだよ。まさか背中じゃねぇよな」
確かに、背中だとパーカーを脱がないと確認しにくい。
キャミソールの裾が持ち上げられ、ひんやりとした伏黒の指先に身体が震えた。
「あの二人ってつき合ってる?」
「まぁな。恵がゾッコンだ」
そんな綺羅羅とパンダの声が聞こえる。
パーカーの合わせを持たされると、伏黒が「めくるぞ」と言って キャミソールをさらに大きくめくった。
「あった」
伏黒の指先が身体の中心のやや左側――左胸の下に触れ、小さく舌打ちをする。
「際どいところにつけやがって」
「何だった?」
「《★Mimosa》」
――《★Mimosa》……星が四つ揃った。
「……つーか、もう少し恥ずかしがれよ」
「メグが相手で恥ずかしがる必要ある?」
裾を直し、ジップをきっちり首元まで引き上げてくれる。
引き寄せたり近づかせなかったりするものには、全て星が振られていた。おそらく、【玉犬】にも伏黒や【脱兎】と同じ《★Acrux》と刻まれているのだろう。
「この星の星座、何だっけな……前に津美紀が話してた気がすんだよ……」
「メグ。わたし、分かる」
兄である星也は術師であるのと同時に占い師でもある。使う占術は【六壬神課(りくじんしんか)】、【易学】、【風水学】、【夢占い】など様々あるが、中には【星占い】も含まれている。
その影響か津美紀も星に興味を持ったようで、眠れない夜はよく星を見たり、星座の本を読んだりして楽しんだ。
娘を攫われて嘆く大地母神や、恐ろしいギリシャ神話の怪物、悲しき運命を辿った双子――……星也や星良、伏黒や津美紀と見た流星群は見事だった。
詞織は階下のパンダと綺羅羅に向けて少し声を張った。
「綺羅羅さんの術式は星にまつわるもの――モチーフは……『南十字座』」
綺羅羅の顔が強張り、伏黒も軽く驚いた表情をする。推測が確信に変わった瞬間だった。
動揺が顔に出たことに気づいたのか、「くそ!」と綺羅羅が自分の顔に触れる。