夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第7章 彼が求めるフリオーソ【潜入/熱/きらきら星/部品】
詞織たちも綺羅羅も動けない、両者睨み合いが続く膠着状態。それを好機と伏黒が口を開いた。
「綺羅羅さん! 俺たちは今、正確には高専側ではありません! 東京が現状どうなっているか知ってますよね⁉」
各地で発生している結界、未曽有の呪術テロ――秤や綺羅羅の耳にも届いているはずだ。
「秤さんの協力が必要なんです!」
「そっちが先にアタシたちをハブったんじゃん。自業自得でしょ」
『そっちが』って……高専側ではないと言っているのに、聞く耳を持たない。
「綺羅羅さんたちは、上と何があったの?」
「去年の【百鬼夜行】で二人は京都側に派遣されたんだが、そこで保守派と揉めてボコボコにしたんだよ」
詞織が問いに、答えをもたらしたのはパンダだった。
保守派の『保守』というのは、何も規定に対してのスタンスのことだけはない。『呪術とはこうあるべき』という思想を持っている。
釘崎の【芻霊呪法】や神ノ原一門の【陰陽術式】は分かりやすい保守派好みの呪術らしい呪術だ。
一昔前に流行った【呪いのビデオ】のように、時代が進めば新しい呪術も生まれ、時にはその時代の技術や流行と絡むこともある。
「それが術式にまで及ぶと、保守派はうるせぇのよ」
そういうことか。
保守派は特に古い時代の人間が多数を占めている。固定概念ガチガチの頭の固い連中は、新しいことを受け入れられない。
「金ちゃんの術式はその典型だからね。上のバカ共、そんなんだから負けんのよ」
でもさ、と綺羅羅は冷めた目をこちらに向けてきた。