夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第7章 彼が求めるフリオーソ【潜入/熱/きらきら星/部品】
詞織と合流し、伏黒は屋上へ向かった。数階上には見張りがいたが、途中からいなくなっていた。パンダが制圧していたのだろう。
屋上に到着してドアを開けると、パンダが「よ」と手を上げる。
「パンダ先輩、本当に大丈夫ですか? これが原因で後でモメたり……」
「ダイジョブ ダイジョブ~」
「メグ、今さら。もう腹を括るしかない」
確かに、すでに制圧は完了してしまっているから、詞織の言う通り今さらなのだが……不安になってしまうのは仕方がない。
「さっさとドア前 固めちまおう」
パンダに促され、モニタールームの方へと歩き出したところへ、人の足音に伏黒たち三人は動きを止めた。一つ下の階に人影――。
――女?
気配を感じたのは相手も同じようで、大きな瞳がこちらを見上げる。襟足の長い髪、口元に大量のピアス、肩や腹が出た露出の高い細身の人物だ。
「パンダちゃん⁉ それに、さっきの子も……っ!」
「ゲッ、綺羅羅……! 秤と一緒じゃなかったのか⁉」
「あの人、綺羅羅さんだったの?」
――「ごめん。行こうと思ったんだけど見つかっちゃって……」
詞織は知らずに綺羅羅と接触していたわけか。
その綺羅羅の瞳が伏黒を見て大きく見開かれる。
「それに、トゲ頭の子……パンダちゃんの手引きで侵入したってことは、高専の人間ってわけ。ってことは、悠ちゃんも高専の人間……っ!」
一気にこちらの素性がバレた。
ポケットからスマホを取り出そうとする綺羅羅に気づき、パンダが下の階へ飛び降る。詞織も術式発動のために口を開くが、伏黒の発動が一歩早い。