【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第8章 ✼••┈••✼番を狩る✼••┈••✼
男の方は盲目(めしい)のようだった。
だけど孤蘭には関係ない。
子供に寄り添うようように座っている彼が。
牡丹や蘭に思えた。
それだけで十分だった。
孤蘭の気配を感じると、すぐに二人は刀を抜いた。
抜いた刃先は、暗闇にスッと現れた孤蘭に向けられる。
孤蘭はこの時初めて威嚇をされたのだが、敵意にはひどく鈍感だった。
蓬莱では寵愛しか向けられたことが無いからだ。
山田浅ェ門士遠(しおん)。
彼は孤蘭の気配を感じて、一瞬時が止まった。
孤蘭からは生きている人間の気配がしなかったからだ。
だけど先程出会った天仙とも違う。
人間の形の中に生気はなく、ただタオだけが渦巻いていた。
「誰だ!!お前!!」
子供…ヌルガイは孤蘭に向けて刃先を突き刺した。
孤蘭はその刃先には反応せずに、キョトンとしていた。
「瀛州(えんしゅう:神仙郷の外側。門神や毒虫のいる場所。)から逃げてきたの?」
孤蘭は静かな瀛州の森を見上げて言った。