【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第21章 ✼••┈••✼極楽へ至らぬ者たち✼••┈••✼
「……蓮は孤蘭が発芽するまで花を咲かせないだろうね。」
桂花はふと、孤蘭が最後に言った言葉を思い出した。
『桂花…あのね…。蓮は私が発芽する時は側に居てくれるって約束したの。』
そう言って最後に彼女は笑って消滅していった。
そうだな…蓮なら。胚珠からやり直しても孤蘭の願いならなんでも聞くだろう。
胚珠になっても、苗になっても、こうして孤蘭から離れないのだから。
「ほら…菊花たちは明日幼稚園があるんだから、もう早く寝るよ。」
桂花はそう言って、やっぱり孤蘭の側から離れない天仙たちを、研究室から追い出す。
渋々孤蘭から離れて、パタンとドアが閉まった部屋の中に静寂が訪れた。
ユラっと孤蘭の苗が動いて、蕾がゆっくりと開いた。
孤蘭の蕾に反応するように、蓮の蕾もまた膨らみ花弁を見せる。
大きな蓮の花と、小さな蓮の花が並んで咲いた。
触れれば壊れるほどに違いながら、それでも、同じ場所に根を下ろしている。
それが、二人の答えだった。
✼••┈┈┈┈┈┈••✼完✼••┈┈┈┈┈┈••✼