• テキストサイズ

【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】

第5章 ✼••┈••✼蓮の花✼••┈••✼





「……父亲(お父さん)は?」





孤蘭の父親とは、すなわち前の孤蘭のことだ。






牡丹は少し意地悪だけど、この話題は答えてくれると分かっていた。






「………孤蘭は…君が産まれる前に死んだよ。……孤蘭は短命なんだ、1,000年の間で最長でも25までしか生きなかった。」





そう言いながら、牡丹は向けられている小さな背中を見ていた。





この小さな体には生命の期限がある。





これから孤蘭は蓮と交わったあと、初潮を迎えたらすぐに人間とまぐわうことになる。





短過ぎる命の中で、確実に次の孤蘭を産むために。

1,000年の間で幾度となく繰り返されてきた。





そんな孤蘭を繰り返し見てきた、うんざりするような1,000年の中で。

牡丹は不老不死の仙薬を自分が作れたなら。

宗師ではなくて孤蘭に渡すだろうと思った。





牡丹はゆっくりと目を瞑った。

そして考えを改める。





だけど輪廻を繰り返す孤蘭の姿が。

美しくも、羨ましかった。





彼(彼女)たちの生も死もはっきりと覚えている。
/ 104ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp