【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第5章 ✼••┈••✼蓮の花✼••┈••✼
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私は知っていた。
牡丹(ムーダン)の研究室は外丹花から丹が溢れている。
敷き詰められた外丹花の奥の奥に…。
その人は居た。
「孤蘭。」
牡丹に呼ばれて孤蘭は振り返った。
しゃがんで外丹花を見ていた孤蘭を、牡丹は笑って見下ろしていた。
「…お腹が空いたの?」
「……別に…。」
言葉少なく返すと、また孤蘭は外丹花を見た。
色とりどりの牡丹の花が咲き乱れていて、孤蘭はその花が綺麗だとさえ思った。
「……生きているの?」
「んー…。まぁ生きてる。」
不老不死に近い存在。
これが自分の母親だと言うことは知っている。
彼女の丹が自身を生かしていることも。
彼女は孤蘭を出産後、牡丹によって外丹花となった。
孤蘭を育てるために。
牡丹はたまにこうして研究室に現れる孤蘭を、いつも黙って見ていた。