【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第20章 ✼••┈••✼蓮✼••┈••✼
弔兵衛の手に、彼に向き合わされると、孤蘭はゆっくりと目を開けて彼を見上げた。
菊花と桃花を殺した男は、数日だけ一緒に過ごした自分の夫だった。
「お前が嫌だって言っても連れて行く。俺は賊だから奪うだけだ。」
そう言って孤蘭の体を抱き上げて肩に担いだ。
「っ…いやよ弔兵衛!離して。」
「…タオを使うな、今すぐ死ぬぞ。」
まだやることがあったから、どこか安全な場所に孤蘭を閉じ込めるつもりだった。
暴れても弔兵衛はビクともしないで、歩を進めて行く。
弔兵衛が言う通り、タオを使おうとすると、体の疲弊が大きく、その度に命が削れるのが分かる。
残りのタオは天仙たちと過ごすために使いたい。
孤蘭は体の力を抜いて、弔兵衛にもたれながら言った。
「…お願い… 弔兵衛…。私の最後の場所はあなたじゃない…。ごめんなさい…。私を許して…。」
天仙たちと逝かせて…。
消え入りそうな声だったが、最後の言葉まで弔兵衛には届いた。
その言葉を聞きたかったのかも知れない。
弔兵衛はそんなことを思って、孤蘭の体を静かに地面に立たせた。